BLACK BOX

Weekly Coffee Commentary.

No.52-23

Quindio Strawberry

Brand Information ☝️"tap"

No.52:

Quindio

国:コロンビア

標高:1800〜2000m

エリア:キンディオ アルメニア地区

品種:カスティージョ

生産者:フィリペアルキラ氏

生産処理:インフューズド・ハニー

プロファイル:ストロベリー


ストロベリーとワイン酵母を使用し、フルーツワインを発酵中に加えたコーヒー。収穫されたチェリーは、生のストロベリーの果肉とワイン酵母と一緒にグレインプロに入れられ、72時間の無酸素発酵を行います。その後はパルピングされ、ミューシレージを残した状態で、アフリカンベッドに置かれ丁寧に乾燥されます。


Cofinet社の前身は80年以上もの間高品質のコロンビアコーヒーを扱い続けてきた、有力な輸出業者でした。そして2015年、代表のフェリペさんとカルロスさんによってCofinet社は立ち上げられ事業の拡大に舵を大きくきりました。具体的には、ウォッシュでの精製がほとんどであったコロンビアにおいて、特殊な発酵プロセスの豆を専門とする専門業者として、日々世界のトレンドを追いかけながら、世界のロースターが驚くようなクロップを生み出しています。また、同社は収穫後の工程を一挙に担うことで、農家さん達の負担を減らし、彼らが良質の完熟したチェリーだけを生産することに集中することを可能にしました。このようなサポートにより、同社とやり取りをする農家さんはチェリーの質を向上させただけでなく、収入も向上させることができ、意欲的に持続可能なコーヒー栽培に取り組めるようになりました。


まだまだ酵母の働きに関しては、研究段階ではありますが、コーヒーの味わいに影響を与える作用があるということは間違いなさそうです。カナダ拠点のラルカフェを筆頭にコーヒーの発酵専用の酵母菌を販売するプレイヤーもいよいよ現れ始め、今後のコーヒーシーンにおいて、様々な酵母の添加がトレンドになっていきそうな機運を感じさせます。

  • コーヒーの未来

No.51-23

Tropical Mountain

Brand Information ☝️"tap"

No.51:

Tropical Mountain


地域:パプアニューギニア

規格:PSC A

品種:ティピカ、他

標高:1,500m

スクリーン:15up

生産処理:ウォッシュド

乾燥方法:天日・機械乾燥併用

クロップ:22/23

プロファイル:シトラス、ハーブ、


兼松オリジナル

パプアニューギニアのコーヒー産業の政府機関である"Coffee Industry Corporation LTD"(通称CIC) と、日本のコーヒー商社・兼松が手を組んで生まれたオリジナルブランド。このプロジェクトは、2008年に【Tropical Mountain®】を先んじて商標登録したところから始まりました。どのコーヒー豆でブランド開発するか何度も議論を重ねた結果、Tropicalのイメージから、南国でフルーティーなコーヒー豆の産地であるパプアニューギニアに決定しました。オリジナルのロゴマークには、商品名称にある「山」、そしてたくさんのコーヒー豆が収穫されている様子を、民族模様を連想させる柄の山からコーヒー豆を噴火させることで「秘境地の山から届いた豆」を表現しています。



厳格な規準

カップを安定させるために、外部団体の基準をクリアした豆だけが第一段階として入札資格を受けることができ、弊社でもカップを行い、買付ロットを決するというダブル検査を行います。最高のカップを作り出すべく、兼松とCICで取り決めた厳格な数値面での「規格基準」があります。

❶PSCグレード

❷標高1500m以上

❸QグレーダーによるSCAカップスコア80点以上

出来上がったLotは香りがみずみずしく、トップのフレーバーはややハーブ系。酸味や甘みは大人しいまま、後味は少し重ため。日本から生まれたコーヒーブランド。今後の更なる躍進が楽しみです。

  • 日本から、世界へ。

No.50-23

Ouro Verde

Brand Information ☝️"tap"

No.50:

Ouro Verde

国:ブラジル

標高:1260-1320m

エリア:バイーア州ピアタンシャパーダディアマンティナ

品種:カトゥアイ

農園名:オーロ・ヴェルデ農園

生産処理:ナチュラル

生産者:カンディド・ヴラディミール・ラデイラ・ロサ

プロファイル:プラム、レッドアップル、ヘーゼルナッツ



託された最高の農園

オウロ・ヴェルデ農園は、バイーア州ピアタンのシャパーダディアマンティナの標高1300mほど、平均気温が2〜17℃ととりわけ変動の大きなエリアに位置しています。もともと義父であるアントニオ・リグノ氏の農園でしたが、90年代の終わりにカンディド氏に託された農園です。アントニオ・リグノ氏は、バイーアで非凡なコーヒー生産者として名を馳せる、サンジュダス・タデウ農園を運営するスペシャリストです。


COE 2014 EH:優勝

そんなアントニオ氏から、コーヒーのいろはを教わり、ピアタンの地の利を活かした、伝統的で高品質なコーヒーの生産を開始しました。2014年末に開かれたCOEブラジルEarly Harvest第100回記念大会では、1位:カンディド氏が営むオウロ・ヴェルデ農園、2位:義父のアントニオ氏のサンジュダス・タデウ農園、3位:兄妹であるゾラさんのティジュコ農園が獲得という、ファミリー総なめという特別な記録になりました。


特異な場所

バイーア州のコーヒー生産は、他のブラジルコーヒーの生産と大きく違う点があります。1つは、ブラジル国内のコーヒー生産地の中でも標高が最も高く、1300m〜1400mに至るバイーア州の環境。そして、ブラジルでは珍しい伝統的な手作業での収穫です。こうした地域性に加え、この地区特有の朝の霧が、コーヒーに明るく甘みを帯びたアイデンティティを吹き込みます。


カンディド氏の目指すコーヒー

また『環境への配慮』が、カンディド氏の永遠のテーマです。常に、使用する農薬肥料やコーヒーの周辺に植える木々、廃棄方法などの技術的指導を受け、これまでも度重なる改善を行なってきました。『素晴らしいケアが、高品質なコーヒーを生み出す』とカンディド氏は言います。生産処理方法や収穫などに注目が集まることが多い中で、それだけでなく土壌の適切な管理、苗木の育成、生産処理後の保管など、多くの工程に気を使う事でより完璧なコーヒー生産を目指しています。常に新しい生産技術に注視するカンディド氏。義父が希望を込めて託してくれたこの農園で最高のコーヒーを生産したいと強く願い、努力を続けています。プラムやレッドアップルなど甘酸っぱい果実味とヘーゼルナッツのような香ばしさ、オレンジピールを思わせるビターネスとフレッシュで輪郭の立ったキャラクターに感じます。マウスフィールの質感が心地よく、冷めるにつれて甘さの印象も向上し、飲み終わりまでの印象や感じるアロマの変化が楽しめるカップです。

  • 受け継がれたファミリー農園

No.49-23

MUZO Station

Brand Information ☝️"tap"

No.49:

MUZO Station

地域:ルワンダ北部州Gakenke群Kabatezi地区Rusororo村

品種:ブルボン他

標高:1,640~2,100m

スクリーン:15up

生産処理:フルウォッシュド

乾燥方法:アフリカンベッド・天日乾燥

クロップ年度:22/23クロップ

プロファイル:甘栗、オレンジ、青リンゴ


千の丘

通称「千の丘の国」と呼ばれるほど山脈が多い国、ルワンダ。国土のほとんどが丘陵地の内陸国で、7つの湖と5つの火山、ナイルの水源となる川を有し、多様な地形と植生を持ちます。肥沃な大地に豊富な雨量と、コーヒー生産に非常に適した条件に恵まれたルワンダでは、主にブルボン種が中心に栽培され、独特のテイストとアロマを持つコーヒーが生み出されています。そんなルワンダの中でも、北部州ガカンク群より大変優秀な生産者が多数所属するBAHOコーヒーから単一ステーションLotのご紹介。大規模な農園は少なく、小規模の農家でコーヒー栽培を行うケースが多いルワンダですが、今回は第三行政区分である「Cell」を超え、村にあるステーションまでを指定。安定的な品質と生産者の顔が見える安心感から、お届けするコーヒーはまた一味違う美味しさ。


水洗所・MUZO

MUZOステーションには800軒の生産者からチェリーが持ち込まれ、ルワンダ伝統のフルウォッシュド+アフリカンベッドで精選。甘栗のような香り、オレンジの様な味わい、最後までクリーンなアフターが心地よい一杯ができあがります。青リンゴの様な酸味が始めこそ緩やかなものの、上質さと粘度がある味わいが段々と強くなり、最後の一口まで楽しめます。

  • 千の丘の国

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