BLACK BOX

Weekly brand commentary.

No.30-23

GELANE

Brand Information ☝️"tap"

国:エチオピア
標高:1350〜1600m
エリア:オロミア州シダモ県グジ地区
品種:ゲイシャ
農園名:ゲレナ農園
生産処理:ナチュラル
生産者:Israel Degafa
プロファイル:レモン、ジャスミン、アールグレイ

グジの魅力

エチオピアのグジ地区は、高品質な豆が生産される地域として国内・海外からも高い評価を受けています。その中で、世界的に注目、高い評価を受けているゲイシャ種のみを指定してナチュラルプロセス、グレード3で仕上げています。完熟のチェリーのみを使用する拘りが品質を押し上げ、ゲイシャ種のもつフローラルな甘酸っぱい香り、フルーツを思わせる風味、通常のモカとは違う柑橘系の爽やかさが、後味を一層引き立て余韻の素晴らしさが光ります。通常のコーヒーとは一味違う、煌びやかな風味が世界的に高い評価を得ています。

ゲイシャ種

ゲイシャ種は、エスメラルダ(パナマ)が有名ですが、極めて高価で数量も少ないことから、ほとんど流通していません。ゲイシャ種はエチオピアのゲイシャ村から始まりそこから世界に広がったと言われています。栽培が難しく収量が少ないことから、栽培する農家は極めて少数です。独特の柑橘系のフルーティな風味は従来のコーヒーとは異なることから世界的な人気を博し、その希少性も相まって高価格で取引されています。生産国や農園によって異なりますが、キングオブコーヒー"ブルーマウンテン"の2倍以上の価格で取引されています。

認証取得へ

農園の設立は2014年と比較的新しいですが、RFA/UTZ(レインフォレスト/ウッツ2018合併)認証やJAS認証の取得にも励んでいる、とても有望な農園でもあります。、

アンケート返礼豆

国:コロンビア
標高:1650m
エリア:ウィラ県ピタリート市アグアネグラ村
品種:ピンクブルボン、カトゥーラ
農園名:ラ・ローマ
生産処理:ナチュラル
生産者:ロドリゴ・サンチェス・バレンシア

2011年にRodrigo氏が取得した農園で、2015年よりコーヒーの精選方法に関する研究を行っております。 中央アメリカの生産者と共有した資料のおかげで、Rodrigo氏はゲイシャ・ピンクブルボン・パカマラなどの様々な品種の種子を手に入れコーヒーの多様化を実現させていき、試験的に扱ってきたこれらの品種がうまく育つことを同農園で確認。そんなラ・ローマ農園より「インフューズド×バレルエイジ」を実現したコーヒーのご紹介です。
コーヒー発酵槽に小麦やトウモロコシなどの穀物をベースにウイスキーをブレンドし、発酵を促す10種の微生物などを独自の割合で投入。200時間掛けコーヒー豆が持つ固有のphとBrix値が同等になるまで嫌気(無酸素)発酵させます。その後30日かけオークでできたウイスキーバレルで熟成。バニラのようなバーボンの甘味、りんごのような爽やかさ、キャラメルのような丸みですが、もちろんノンアルコール。スペシャルティのその先を行く、ユニークなコーヒーです。

  • 口いっぱいに広がる、ジャスミン。

No.29-23

ESPRESSOLADY

Brand Information ☝️"tap"

銘柄:エスプレッソレディ
得点:83.5点
国:ブラジル
標高:1100〜1200m
エリア:ミナスジェライス州ノバヘセンデ
品種:ムンドノーボ、カトゥーラ、カトゥアイ
農園名:プラナウト農園
生産処理:パルプド&ナチュラルのブレンド
生産者:セルジオ・マントバニーニ
プロファイル:ブドウ、チェリー、チョコレート

名の由来

エスプレッソ(急行の意味。微細粉を90度の9〜13気圧で短時間抽出したコーヒー液)レディ(用途の意味)という名の通り、元々はエスプレッソ用に開発された銘柄。

製法

成熟させたチェリーの中でも一定以上の大粒のものだけを選択して、ナチュラルとパルプドナチュラルの原料をブレンドして作り上げた一品。

プラナウト農園では収穫から精選、選別までの管理や指導は、それらが与える工程がいかに味覚品質に影響があるかを理解している農園専属の農業技術者が行っています。品質にこだわって仕上げられたプラナウト農園のコーヒーは、農園内の選別工場から直接コンテナ積みされ日本に届けられます。高い標高と理想的な環境がサステイナブルな生産を可能にしています。自然こそがさまざまな病害虫をコントロールする最大の手段だからです。農園の内350エーカーの森林や水源地が自然保護区域に指定されており、その環境が厳格に守られています。コーヒーを精選する際に発生する汚水はクリーニングされた後に再利用され、脱果肉後のコーヒーパルプは森林の堆肥として使われています。


労働者の保護

プラナウト農園の労働者の生活はしっかりと保護されており、給与水準も地域平均以上で、永住労働者や日雇い労働者の区別なく労働環境が整備されています。


収穫された完熟果実は、ナチュラルまたはパルプドナチュラルにて仕上げられます。

ナチュラル

⇒原料には完熟果実を少し過ぎたグレープチェリー(果肉がグレープ色をしている)がレーズン状に乾いた大粒のものを選び、天日乾燥の後に機械にて乾燥します。


パルプドナチュ ラル

⇒完熟果実を果肉除去しミューシレージのついたまま天日乾燥した後に機械乾燥 にて仕上げられます。

これらのナチュラルとパルプドナチュラルを、深煎りでも豊かな香りや酸味を味わえるように「スーパーナチュラル」として味作りをした逸品です。

  • 溢れ出る、葡萄のジューシーさ。

No.28-23

Chocolat

Brand Information ☝️"tap"

国:ブラジル
標高:1100m
エリア:ミナスジェライス州サントアントニオ地域ドアンパロ周辺
品種:ムンドノーボ、カトゥーラ、カトゥアイ
農園名:SAEC(サンアントニオ生産者共同体)
生産処理:ナチュラル
生産者:組合長エンリケ・カンブライヤ氏
プロファイル:チョコレート、ナッツ、キャラメル、ミルク


ミナスジェライス州サントアントニオ地域の20農園からなる 生産者共同体の力作。ブラジルらしいナッツフレーバーと甘味、チョコレートのようなフレーバーが魅力。 


収穫タイミングにこだわる

“いかにいいナチュラルをつくるか”に注力しており、そのために収穫のタイミングを調節しています。収穫期にはカラカラの過熟果実ではなく、その手前の水分が多い完熟果実の多いタイミングを見計らって収穫機を入れます。収穫機の果実を叩き落とす棒の振動の強弱を調整することで、完熟果実を選択的に収穫できるようになっています。収穫のタイミングと収穫機の調整にこだわっているおかげで、未成熟果実の混入が非常に少ないチェリーを得ることが出来ます。園を輩出しているブラジルを代表するスペシャルティコーヒーの名産地です。

「ザ・ナチュラル」にこだわる

サンコーヒー社は、「いかにいいナチュラルを作るか」に注力しているので、フローター選別をおこないません。収穫したチェリーをそのまま乾燥パティオに広げます。農園ではこの方法を「ニュー・ジレトダホーサ」と呼んでいます。これは、収穫したチェリーの熟度が高く均一性が高いためできるものです。

天然のイリゲーション
プレミアムショコラのサンコーヒーに関しては「天然のイリゲーション(灌漑)」とも言える畑づくりをおこなっており、根を深く張れるような土づくり・雨が多少降らなくても土壌に残る水分で木がきちんと育つ土づくりをおこなっております。プレミアムショコラを作るための乾燥方法、ラド・ラド プロセス(SIDE BY SIDE)は乾燥中に果実と果実が上下に重ならないように広げます。プレミアムショコラに大切な「甘味」を作るための乾燥方法です。ドライ進行度が安定しプレミアムショコラを作る最適な原料となります。4~5日間ほどで天日乾燥を終え、その後機械乾燥を行っています。

フレーバーの特徴

浅煎り :甘味を伴ったナッツ系の香りが口全体に広がり、その後に柑橘系の香りを楽しめます。クリーンで、砂糖のような上品な甘味を感じます。

中煎り :甘味を伴ったナッツの香り、キャラメル、チョコレートのような香りがあり、アフターフレーバーで甘味がしっかり長く広がります。浅煎りよりも酸味はマイルドになり、甘味が増し、ボディー感が強くなります。

深煎り :苦味がしっかりしてくるが、心地よい苦味。甘みも健在。

  • 濃厚ガトーショコラ、さながらの甘味。

No.27-23

MALACARA

Brand Information ☝️"tap"

国:エルサルバドル
標高:1370-1800m
エリア:サンタアナ、アパネカ、ラマテペック
品種:ブルボン
農園名:マラカラ農園
生産処理:ウォッシュド
生産者:ホセ・ギジェルモ・アルバレス
プロファイル:レッドアップル、チェリー、キャラメル

130年続く伝統農園

サンタアナ アパネカ ラマテペックは、エルサルバドルで良質なコーヒー産地として知られるサンタアナ火山の斜面にあり、火山性の土壌と太平洋の影響を受け素晴らしい微気候をもたらします。農園の起源は130 年前の1888 年にさかのぼり、当時コロンビアからサルバドルに移住した曾祖父の手により開墾されマラカラ農園はスタートしました。以後相続で農園を分割、マラカラ農園(Lote-A)は2005 年以降、ホセ ギジェルモ アルバレス氏とマリア デ ロスアンヘレス アルバレス プルネーラ(4 代目)へと引き継がれ、農園の管理、高品質のコーヒーの生産とマーケティングに従事しています。

人を大切に

ギジェルモ氏は生産者として最良のコーヒーを継続的に生産するため伝統を守り続けています。それは農園で働く人達を代々家族のように大切にする事です。農場には学校と診療所があり教育と健康への配慮、食事のサポートなど労働者のケアを維持しています。また、毎年かかさずピッカーの教育を行い良い報酬を支払う、農園で働く方々みなさんは期待に応えようと仕事をし、より良い環境が維持されています。2003 年に開催されたエルサルバドルCup of Excellenceの第一回大会において2位 入賞を果たし、高品質なコーヒー生産へ力を注ぎ、今なお品質維持向上へ向けて進化し続けています。

最高のコーヒーを作るため

近年ではデジタルマップを用いたアプリを活用し農園内の6区画毎の土壌、木、葉の状態を細かく分析管理する事で、適した栄養素の肥料散布をより効果的に行っています。 シェードツリーのメンテナンス、肥料、病害虫対策・・・ どれか1つでも欠ければ良いコーヒーができないという考えのもとで、全ての工程に細心の注意を払っています。特にピッキングは重要で収穫後のチェリーは再選別を行います。再選別を終えたチェリーも、運搬時に傷がつかないように、また丁寧に扱えるように運搬時の1袋当たりの重量を34.5KGと半分にしています。こうした1つ1つのケアは、マラカラ農園に関わる皆の一年間の努力を無駄にする事無く最良のコーヒーを作りたいという願いでもあります。エルサルバドルにとってコーヒー産業は大きな役割を果たします。労働者の生活を守る為にもコーヒー生産を続けていくことが使命だとギジェルモさんは語ります。その前向きな姿勢、キメ細かな対応、ギジェルモさんの人柄が、このコーヒーが持つクリーンカップで甘くマイルドな風味に表れています。

  • チェリー香る、南米の宝石。

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